就業規則の基礎知識
就業規則は、労働者が働く上での規律や労働条件をまとめたルールブックです。アルバイトやパートを含む全ての従業員は、就業規則を守る義務を持ちます。就業規則は契約書のようなものと考えることができます。
・必ず記載しなければいけないことは
就業規則には、労働基準法によって定められた「絶対的記載事項」と「相対的記載事項」があります。絶対的記載事項は、労働時間、退職、賃金などの必ず記載しなければならない事項です。相対的記載事項は、会社のルールとして定める場合に記載される事項で、退職手当、賞与、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰などが該当します。また、就業規則には任意記載事項もあり、企業理念などを記載することもできます。ただし、労働者間で共有すべき情報でない場合は、任意での記載となります。
・就業規則が必要になる条件
就業規則が必要となる条件は、従業員とのトラブルを回避し、会社の経営や人材管理を円滑に行うために必要です。常時勤務している労働者の数によって決まります。労働基準法では、常時10人以上の労働者を雇用する場合に就業規則の作成が義務付けられています。ただし、これは事業所ごとの人数で判断されるため、2つの事業所にそれぞれ5人ずつが常時勤務している場合は就業規則の作成は必要ありません。ただし、短期雇用により一時的に雇用人数が10人以上となった場合は、就業規則の作成義務はありません。
就業規則の作成方法については、各事業所の業務内容に合わせて作成されます。就業規則の原案作成では、厚生労働省が提供する「モデル就業規則」を参考にすることが一般的です。しかし、就業規則には細かい規定が必要なため、社会保険労務士の助言を受けることをおすすめします。従業員の意見も取り入れながら、原案を作成します。また、労働組合がある場合は、労働組合の意見も聞く必要があります。
原案作成後は、従業員や労働組合の意見を確認し、労働基準監督署に提出します。労働基準監督署では、従業員の意見が反映された就業規則を受理します。
最後に、就業規則を従業員が確認できるようにするために、掲示や配布を行う必要があります。全従業員がアクセス可能な場所に就業規則を掲示します。
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