信用度を向上させる!屋号の利点と命名のポイントを解説します。
屋号とは、個人事業主が事業に付ける名称のことです。屋号は必須ではありませんので、個人名で事業を行っても問題ありません。
会社の場合は商号の登録が必要ですが、個人事業の場合は屋号の商号登録は任意です(商法11条2項)。商号の登録は厳格なルールに従う必要がありますが、屋号にはルールが緩く、ビジネスに関する情報を分かりやすく伝えるためのものです。分かりやすさと覚えやすさを意識して屋号を選ぶと良いでしょう。
・屋号を選ぶ際の3つのポイント
屋号は個人事業主の意思やお客様への思いを込めて自由に付けることができますが、以下のポイントに注意する必要があります。
1. 流行り廃りがなく、何度も変更せずに済むこと
屋号の変更は可能ですが、何度も変更すると取引先やお客様に周知する必要があります。信用や評判に関わる可能性もあるため、「サービス内容の変更」「不評だった」など、やむを得ない場合を除いて、屋号の変更は慎重に行うべきです。流行り廃りに左右されない名前を選ぶことをおすすめします。
2. 事業を連想しやすい屋号であること
事業と関係のない屋号や奇抜な屋号では、相手にとって分かりにくいデメリットがあります。事業をイメージしやすい屋号を選ぶようにしましょう。
3. 周知しやすく検索されやすいシンプルな屋号であること
屋号が長すぎたり、複雑な外国語を使用していると、周知が難しくなります。ネットで検索されやすくするためにも、シンプルかつ分かりやすい屋号を選ぶことが重要です。
・屋号の利点
屋号は必ず使用しなければならないものではありませんが、個人名よりも事業内容が伝わりやすいため、新規取引先を獲得したり、事業拡大に伴って従業員を雇用する際に相手の信用を得やすくなることもあります。以下で屋号の利点について確認しましょう。
1. 公私の区別がつきやすくなる
屋号は、取引先に名乗るだけでなく、銀行口座や名刺、請求書、領収書、契約書、看板などにも使用することができます。個人名で事業を行う場合と比べて、事業とプライベートの区別がしやすくなります。
2. 商品やサービスの概要が伝わりやすい
屋号に商品やサービス名を組み込むと、名刺を渡すだけで「何をしているのか」が相手に伝わります。競合が多い業種などでは、最初の印象が大事であり、相手に記憶されやすくなります。商品やサービスをイメージしやすい屋号を選び、ビジネスチャンスに備えましょう。
屋号を付ける際に注意が必要なのは、「商標」と「商号」についてです
1. 商標を確認する
商標は特許庁に登録されているお店や商品の名称です。同じ名称で同じジャンルでの開業は問題になる可能性が高いので、特許情報プラットフォームの商標検索やGoogle検索などで事前に確認しましょう。商標を無意識に使用した場合は刑事罰はありませんが、商標出願者からの依頼があれば名称変更する必要があり、場合によっては損害賠償を請求される可能性もあります
2. 法人を示す文字は使用できない
個人事業主の場合は、「○○○株式会社」「株式会社○○」「○○法人」といった法人を思わせる名称は使用できません。
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