減価償却の概要と計算方法
減価償却とは、固定資産の価値が経時的に減少することを指します。
具体的には、長期にわたって使用される固定資産(社用車やオフィスのパソコンなど)の取得費用を時間の経過に応じて費用として計上する会計処理です。減価償却により利益が減少するため、税金の負担を軽減する効果があります。
減価償却の対象となる資産は、取得時に一括して経費計上するのではなく、使用可能な期間に分割して計上します。減価償却に関連する用語として、以下の7つがあります。
- 減価償却資産: 減価償却の対象となる資産で、使用することで価値が減少していくものです。
- 減価償却費: 減価償却資産の取得費用を年々の必要経費として配分するための科目です。
- 取得価額: 減価償却資産の取得に要した金額です。
- 耐用年数: 減価償却資産の使用可能な期間で、法律によって定められています。
- 事業供用日: 減価償却資産を使用し始めた日です。
- 減価償却累計額: これまでに行った減価償却費の累計額です。
- 未償却残高(帳簿残高): 取得価額から減価償却累計額を差し引いた残額です。
減価償却の計算方法には、「定額法」と「定率法」の2つがあります。定額法は毎年同額を減価償却費として計上する方法であり、定額法の償却率を取得価額に掛けることで計算します。一方、定率法は初年度に大きな金額で減価償却費を計上し、その後は一定の償却率を掛けて徐々に減少させる方法です。定率法の償却率は、取得価額や耐用年数によって決まります。
減価償却の計算においては、「取得原価」「耐用年数」「残存価額」というポイントが重要です。取得原価は、減価償却対象の固定資産を取得した時点での資産価値を指します。購入金額だけでなく、引取運賃や荷役費、購入手数料などの費用も含まれます。耐用年数は、減価償却対象の資産が使用可能と予想される年数を意味します。個々の資産の償却期間を個別に判断するのは困難なため、法律で定められています。残存価額は、法定耐用年数が経過した後に残る資産価値を指します。すべての固定資産が耐用年数終了後に無価値になるわけではありません。例えば、2006年度までは残存価額が取得原価の10%とされていましたが、2007年以降は1円を残して償却できるようになりました。この1円は備忘価額として残し、固定資産の存在を忘れないようにするためのものです。備忘価額は、固定資産が廃棄や売却された場合になくなります。
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